コネクテッドビジネス テクノロジー コネクテッドカーサービスの成功を左右するのはパートナーシップ - その理由とは 2024年11月5日 OEMはコネクテッドカーサービス開発企業とパートナーシップを結ぶことで、どのような利益を得ることができるのでしょうか?デジタルサービスの開発企業やプロバイダーとの緊密なコラボレーションは避けるべきものではないという認識が自動車会社の間で広がりつつあります。実際、コネクテッドカーサービスの成功にコラボレーションは不可欠です。このようなパートナーシップにより、OEMは何を得て、何を回避し、何に備えることができるのか、その重要な側面を見てみましょう。 OEMがコネクテッドカーサービス開発に対する見方を変えつつある理由 従来は、コネクテッドカーサービスの開発/運用はOEMが完全に自社だけで行うべきだという考え方が主流でした。しかし近年、自動車会社は、デジタルトランスフォーメーションの複雑さに対処するため、他の企業や組織に所属するデジタルサービスの専門家とのコラボレーションに前向きになっています。こうしたサービスの専門家とのパートナーシップは、OEMのビジネスモデル全体を促進するものであり、妨げるものではないという認識が広まりつつあります。 特に従来のメーカーでは、すべてのハードウェアを自社で管理し、基本的に、自社で完成させた製品を一度だけ販売してきました。コネクテッドカーは、2030年までに年間価値の大幅な増加をもたらすと予想されているにもかかわらず(マッキンゼー調べ)、多くのOEMでは、それに伴い自社組織に求められるものに対して準備ができていません。 デジタルサービス・パートナーシップを結ぶことで、OEMは引き続き自社の得意分野に集中し、必要となる補完的な専門知識、サービス、製品を購入することができます。OEMは、コネクテッドカーサービスが何年間も、多くは10年以上にわたって、完全に機能し続けることを求めています。こうした状況において、信頼性、耐久性、創造性の重要さは、いくら強調してもしすぎることはありません。では、それらをOEMに提供する上でパートナーシップは、どのように役立つのでしょうか? コネクテッドカーサービス開発企業とパートナーシップを結ぶべき4つの主な理由 専門的なスキル コネクテッドカーサービス開発企業とパートナーシップを結ぶことで、OEMは専門的スキル、革新的能力、そしてさらなる経験を得ることができます。OEMがこうした専門知識のすべてを社内に持つことは極めて難しく、必要なイノベーションすべてを自社で行うことも期待できません。 コネクテッドカーサービスの専門知識を獲得するには長い時間がかかります。専門的なスキルを磨くには、経験と、長年に渡って十分な試行を重ねたイノベーションが必要です。そのようにしてはじめて、有能で信頼されるビジネスパートナーになれるのです。 サービスイノベーション イノベーションは、ベンチャーキャピタル投資のような多額の資金がなければ始まらないという一般的な誤解があります。真のイノベーションは、OEMがパートナーシップを通じて、特に長期的に取り組むことによって生まれます。そこには信頼関係があり、OEMとパートナーが共に起業家としての責任を担うことで確かな実績を生み出すことにつながります。 OEMは、サービスイノベーションの責任を分担することで、自社のリソースをより効率的に配分することもできます。パートナーに幅広いデジタルサービスや製品のイノベーションを任せることで、OEMは競合他社と一線を画すブランド固有の機能に集中することができます。 リスク分担 コネクテッドカーサービス開発企業とのパートナーシップは、イノベーションの可能性を高めるだけでなく、それに伴うリスクの低減にも役立ちます。革新的なプロセスで避けられない問題の多くは、パートナーと協力することで解決します。何かのやり方を学ぶことと、それを本当にうまく実行する方法を学ぶことの間には、大きな違いがあります。 さらに、パートナーシップによって、OEMはコネクテッドカーの急速なデジタル進化に遅れずに対応できるようになります。OEM単独では難しくても、そのパートナーが対応できるために、両社ともテクノロジーの最前線に立てるというわけです。 グローバル展開 多くのOEMは、世界中に展開するデジタルプラットフォームを構築し、維持しようとしています。しかし、こうしたプラットフォームやそれに接続されたコネクテッドカーサービスの構築と運用には、豊富な知識と強固なデジタルインフラが備わっている必要があります。 自動車会社は、特定の市場で提供されるデジタルサービスについて、心配する必要があるのでしょうか?サービス開発企業やパートナー企業は、エコシステム内の膨大な数のパートナー(たとえば、通信、コンテンツ、マッピング、コールセンター、ホスティングプロバイダー)の管理を含め、バックエンドでそうした業務をはるかに効率的に行うことができます。OEMもエンドユーザーも、コネクテッドカーサービスが機能することを望んでいるだけです。パートナーシップにより、グローバル市場への展開力と信頼性が確保されるのです。 OEMのソフトウェア定義自動車 (SDV) への移行にパートナーシップがいかに役立つか 従来の自動車ビジネスモデルは、根本的変化を遂げつつあります。一部のOEMはまだ言明していませんが、自動車業界がパラダイムシフトに突入したという現実を否定する人はいません。SDVへの移行に伴い、OEMは自社の製品やサービスを見直さざるを得なくなります。 WirelessCarのようなOEMパートナーも同様に、自分たちの業務を精査する必要があるのは言うまでもありません。しかし、当社にはコネクテッドカーの分野における25年にわたる経験があり、つまりそれは、当社がすでに自らを絶えず評価し続けていることを意味します。例えば次のような問いかけです。コネクテッドカーのサービス、製品、ソリューションとは何なのか?それらはOEMとそのエンドユーザーにとってどのように役立つのか?イノベーションの最前線に立ち続けるために、これまでの経験をどう生かせばいいのか? イノベーションにおいて重要なのは、多くの場合、目立つ機能を並べ立てることではありません。必要な統合ポイント、機械学習、サイバーセキュリティ法制、データプライバシーと保護、その他コネクテッドカーサービスの成功を左右する重要な要素について熟知していることです。 SDVへの移行は、未来の出来事というよりも、現在進行中の現実です。なぜなら、コネクテッドカーサービスは、すでに今日、この瞬間にもシームレスに機能する必要があるからです。そのすべてを実行し、維持することはとても大がかりな作業ですが、WirelessCarでは、お客様のためにすでにそれを行っています。 このような作業を日々続けていると、どうしても細部にこだわるようになっていきますが、それはお客様の利益につながるからです。今日、当社では、そうした活動を実行することで、SDVの開発を促進しています。さらには、OEMが必要なデジタルサービスを自社で構築・運用しなくてもいいように支援しています。 WirelessCarがデジタルサービス・パートナーシップの促進に向けて行っていることと、それがお客様にもたらすもの WirelessCarは、多くの中小規模のサービスプロバイダーや新興企業とGoogleやAmazon Web Servicesのようなハイテク大手企業の中間に位置しています。これは、コネクテッドカーサービスの開発企業およびプロバイダーとして絶好のポジションです。つまり当社は、コネクテッドカーサービスに関するあらゆる分野でOEMを支援できるだけの規模、幅広さ、市場での存在感、経験を備えているということです。 当社では、変化するお客様のニーズに応え続けるために、製品開発・管理、サイバーセキュリティ、規制要件、グローバルパートナー開拓をサポートするための社内組織を継続的に構築しています。そまた、世の中にどのような代用品や代替品があるのかも調べています。それは、当社の製品よりも優れているのか、価格は安いのか?当社の製品よりもグローバルに展開しているのか?当社は、こうした検討を継続的に行っています。 現在、WirelessCarはスウェーデン、ドイツ、中国、米国にオフィスを構えています。まもなく日本にも新しいオフィスを構える予定で、日本のパートナーやお客様により近い場所で業務を行う予定です。日本に実際のオフィスを持つことは、文化や言語の観点からも重要であり、日本市場のニーズや動向をよりよく理解することにもつながります。 各地域で知識を深め、現地のニーズを知り、それに適応することで、組織全体、そして世界中のパートナーやお客様に利益をもたらすことにつながります。また、お客様のグローバル展開をしたいという目標を強力にサポートできるようになります。当社は現在100か国以上で事業を展開しており、今後もさらに多くの市場に進出していきます。 WirelessCarとのパートナーシップがお客様のビジネスにとってどのような意味を持つのか、ご興味がおありですか?どうぞお気軽に下記のメールアドレスまでご連絡ください。このトピックの詳細については、OEMの自社開発・外部調達戦略に関するWirelessCarインサイトBlogの記事もぜひご覧ください。 George Ayres AutoMobility Advisors創設者兼マネージングディレクター ご連絡はこちらへ Greg Geiselhart セールス&マーケティング担当VP ご連絡はこちらへ