コネクテッドビジネス テクノロジー デジタルキーソリューションについてOEMが知っておくべきこと 2024年1月17日 デジタルデバイスを使って車両の鍵を開閉する、デジタルカーキーが、物理的なキーやフォブを置き換えつつあります。これは自動車業界にとってもドライバーにとっても歓迎すべきことです。しかし、デジタルカーキーを顧客の期待どおりシームレスに機能させるために、OEMはデジタルキーエコシステムに関わるさまざまな企業や団体の役割や連携の仕組みを理解する必要があります。ここでは、OEMがデジタルキーエコシステムについて知っておくべきこと、そしてWirelessCarがCar Connectivity Consortium(CCC)のデジタルキーアーキテクチャ上に構築されたデジタルキーソリューションの普及を促進するためにどのように取り組んでいるかについて紹介します。 独自のソリューションからデジタルキー技術の業界標準への移行 各社が独自に開発した、いくつかのデジタルキーソリューションがすでに市場に出回っていますが、自動車業界標準を確立する必要性が以前から言われていました。Car Connectivity Consortium(CCC)は、自動車メーカーとハイテク大手が共同でデジタルキーソリューションの業界標準を策定している組織であり、OEMとその顧客のために、デジタルキー技術の普及を促進しています。 物理的な車のキーやフォブをデジタルキーに交換することは、自動車メーカーとドライバーの両方にとってメリットがあります。そのためには最高の技術的信頼性を備えたデジタルキーソリューションが不可欠です。利便性、信頼性、サイバーセキュリティのすべてにおいて、例外なく高いレベルを実現する必要があるのです。デジタルキーはデバイスのウォレットやOEM コンパニオン・アプリなどの中にあり、常に問題なく動作し、ユーザーに安心感を与えなければなりません。 そのためには、自動車業界全体でデジタルキーの普及に積極的に取り組むとともに、移行期間を短縮するための施策を講じる必要があります。CCCの標準仕様は、自動車業界に最適なフレームワークを提供します。 デジタルキーソリューションの最大のメリットとは? デジタルキー技術によって、ますます多くの顧客がデジタルでつながった生活を送ることができるようになります。これにより個人消費者向けとB2Bセグメントの両方で、OEMにより大きなビジネスチャンスをもたらします。 自動車のデジタルキーは家族や同僚、友人間で簡単に共有できます。権限を取り消したり、トランクへのアクセスや一定期間の車両へのアクセスなどの制限を設けることができます。 レンタカーの貸出しや返却は、店舗やキーフォブ、紙の書類なしで、完全にデジタルで行うことができます。また、レンタカーが返却されるとデジタルキーは清掃会社と共有され、次のお客様のために車両を準備することができます。 個人オーナーも車両管理マネージャーも、購入する自動車やフリートに可能な限り最も安全なデジタルキーソリューションが備わっていることを歓迎するでしょう。多くの車両を所有するフリートオーナーにとっては、車両の提供、維持、管理がこれまで以上に容易になります。 さらに、OEMが物理的なキーの製造を停止することで、コスト削減と環境保護の両方に貢献できることも特筆に値します。 デジタルキーソリューションの課題を克服する デジタルキーは、それ自体が小さな機能にすぎないように見えますが、それを実現するための技術的なエコシステムには、さまざまな組織や関係者が関わっています。モバイルアプリ開発、組み込みシステム開発、バックエンドシステム開発、製造オペレーション、そしてもちろんセキュリティは、バリューチェーンの構成要素の一部として連携する必要があります。 パートナー間でも組織内でも、全員が同じ言葉で意思疎通することはどんな環境においても難しいことです。また、所有権の問題もあります。複雑なエコシステムの中で、デジタルキーソリューションを真に所有し、その全体的な開発を主導するのは誰なのかという問題です。 WirelessCarは、20年以上にわたり、お客様のためにデジタルソリューションを開発・運用・改善を継続してきました。その一方で私たちは、業界標準に準拠し、すべてのOEMで使用できる製品を開発することの重要性も理解しています。自動車のデジタルキーの普及は必然的なものですが、OEMごとに導入の進捗状況は大きく異なります。つまり、WirelessCarのCCC準拠のクラウドベースのデジタルキー管理製品は、OEMが顧客に独自のデジタルキー体験を提供するまでの道のりを今後もしばらくの間はサポートし続けるでしょう。 スムーズで安全なデジタルキー管理を実現するための、最短で最適な方法 Car Connectivity Consortiumの標準規格に基づいて開発されたWirelessCarの「デジタルキー管理」製品は、OEMがデジタルキーの導入を迅速に実現するためのソリューションです。 デジタルキー管理は、Connected Car Consortiumのすべての要件とセキュリティアーキテクチャ(CCC 3.0)に準拠しています。すべてのWirelessCar製品とサービスと同様、コネクテッドカーに関連するすべてのサイバーセキュリティ標準に準拠した次のセキュリティが組み込まれています。: UNR 155、ISO 27001、ISA-VDA、OWASP、NIST 800-53。 デジタルキー管理は、Apple iOSおよびAndroid OSのデバイスウォレットとも互換性があり、OEM独自のコンパニオン・アプリ用に設定することも可能です。そのためOEMのスマートフォンアプリに、デジタルキーや車両の接続データなどの情報を追加して提供することができます。 CCCデジタルキーの仕様とそれに準拠した製品を採用することで、OEMは市場で他社との差別化を図るためのサービス開発により多くのリソースを集中させることができます。WirelessCarは、クラウドベースの製品とともに、OEM向けにカスタムソリューションを構築してきた長い歴史があります。どのようなソリューションを選択していただいても、私たちのソリューションはOEMとそのビジネスモデルのデジタルトランスフォーメーションを支援します。さらに、弊社の製品とSaaSデリバリーモデルを組み合わせることで、お客様が収益を上げるまでの時間を短縮します。 CCCデジタルキーソリューションにおいて、弊社が提供するのはアプリやウォレット、車両そのものではありません。しかし、これらの重要な要素をつなぐクラウドベースの製品としてソリューションの実現を支援します。OEMは、デジタルキーの導入を通じて、個人のお客様にも法人のお客様にも、シームレスなコネクテッドカー体験を提供することができます。この分野で顧客の期待に応えられるのが早ければ早いほど、顧客はOEMのブランドに愛着を持ち、他のコネクテッドカーサービスも利用してくれる可能性が高まります。 デジタルキー管理に関するご質問は、弊社製品ページをご覧ください。また、メールでもお問い合わせいただけます。サイバーセキュリティやEVユーザーエクスペリエンスを向上させる方法など、関連トピックについては、弊社のWirelessCar Insightsブログをご覧ください。 Grant Janeshak 製品マネージャー ご連絡はこちらへ