オープンソース ソフトウェア:ソフトウェア定義型自動車の未来を切り開くイノベーションとコラボレーション

2025年3月13日

自動車メーカーにとって、もっとも有益なソフトウェア定義型自動車(SDV)投資とは? そのカギは、イノベーションやコラボレーション、ブランド差別化を実現するオープンソースソフトウェア(OSS)が握っています。 さっそく、イノベーションやコラボレーション、そしてソフトウェア定義型自動車を実現するアプローチについて見ていきましょう。

オープンソースソフトウェアが自動車メーカーにとって重要な訳とは?

自動車メーカーがソフトウェア定義型自動車の開発に着手すると、必要とされる時間やコスト、専門的な鑑識がただちに明確となります。 これは、自動車業界全般に共通しており、OEMはコネクテッドカーサービス、なかでもSDVサービスの開発に関して同様のハードルに対峙しています。 SDV全体をカバーするソフトウェアを自社内で構築・管理するには、膨大なコストを要する複雑なプロセスとなります。

オープンソースソフトウェアによって、この開発上のネックに合わせて対処するコラボレーションが可能になります。 同時に、自動車メーカーのベンダーロックイン回避にもつながります。 オープンソースソフトウェア自体は目新しいものではありません。しかしながら、自動車のデジタル化にまつわるポテンシャルには大いに期待できます。 自動車メーカーやコネクテッドカーサービスのプロバイダーに、かつてない革新的なSDVサービスに向けた好機をもたらします。

自動車メーカーがオープンソースソフトウェア型コラボレーションを採用すべき3つの理由

1. ダイナミックな提携&イノベーション
オープンソースソフトウェアによって、より多くのコネクテッドカーサービス開発者がオープン型コラボレーションを実現できるようになり、すべての関係者に利益をもたらします。 現在のところ、厳格なコンプライアンスの存在により、自動車業界におけるコラボレーションが円滑に進められなくなっています。 各関係者が、業界共通の問題に対して別個にソリューションを模索することは、時間やリソースの無駄遣いだといえます。 一方で、オープンソースコードは、コネクテッドカーサービスの開発においてすでに常套手段となっています。

2. オープンソースソフトウェアによって、リソースや人材を解放することにつながります。
コラボレーションの規模が拡大するにつれて、より多くの人材がプロジェクトに関与できるようになります。 社外のすぐれた人材にもアクセスできるようになり、より迅速で大規模な前進が可能になるでしょう。 また、OEMによって、差別化されたブランド固有のサービスの創出と維持に向けて、さらなる自社リソースを投入できるようになります。 オープンソースソフトウェアによるコラボレーションは、自社SDVの研究開発に対する足かせとなるどころか、逆に、スムーズな自社開発研究を促します。

3. ベンダーロックインの回避&シームレスな統合の推進
すでに見てきたように、オープンソースソフトウェアの導入によって、自動車メーカー各位が制限の厳しいサービスプロバイダーを回避できるようになります。 そして、ソフトウェア定義型車両に要される柔軟性と創造性も獲得できます。 SDVがより多様なシステムに接続できるようになることで、顧客満足度とロイヤルティの向上にもつながり、さまざまな市場でより多くのビジネスチャンスが実現されることになります。

Holographic car interface digital projection on a blue background, 3D rendering

オープンソースソフトウェアによって、OEMとの提携が強化

欧州連合(EU)では、自動車メーカーに対して、同分野のオープンソースソフトウェアを介した協力体制を呼びかけています。 このような勧告の背景には、迅速かつ共通的なSDV進化に対するニーズがあり、これが政策上の転換となって表れています。 同類の地域政策や、さらなるSDV開発資金の提供を通じて、世界中の地域、市場における支援の実現が期待されます。

自動車メーカー間のコラボレーション促進に向けて、さまざまなオープンソースアライアンスが設けられています。 本記事の執筆時点で、ワイヤレスカーは、2大アライアンスとなるCOVESASOAFEEに加盟しています。 この他にも、主要なコラボレーションとして、Eclipse SDV、日本を拠点としたAGL、あるいはドイツのVDA、EUのFederateといった開発資金援助などが実現されています。

また、各メーカー企業のソフトウェア定義型車両スタックの強化に向けたジョイントベンチャー(合弁事業)も存在します。 2つのOEMのシステムアーキテクチャの統合は、非常に興味深い試みであり、複雑なプロセスでもあります。 オープンソースベースのソリューションを共通基盤として活用できることから、各企業が開発を加速化させ、さらに適応性の高いSDVソリューションに専心できるようになります。 直近では、ダイムラー・トラックとボルボ・トラック、あるいはフォルクスワーゲングループとリビアンが合弁事業を展開しています。

アライアンスや合弁事業という形態で、オープンソースソフトウェアを援用することによって、自動車メーカーと提携ビジネスパートナーが、より迅速に重大な決定を行えるようになります。 オープンソースソフトウェアは、一般的な共同プロセス、なかでもSDVの開発において、よりスムーズで効率的な作業を可能にします。

オープンSDVプラットフォーム - SDVイノベーションの加速化

ワイヤレスカーの新規ソリューションユニットとなるオープンSDVプラットフォームは、オープンソースソフトウェアとSDVサービスにおけるコラボレーションに特化したものです。 有言実行を掲げる私たち企業は、世界各国の自動車メーカーが、このイノベーティブなプラットフォームに参画してくれることを望みます。

オープンSDVプラットフォームの2大目的:
1. オープンソースソフトウェア基盤のさまざまなプロジェクトにおけるコラボレーション
2. 協同のコードに基づいた最先端の新しいワイヤレスカーコネクテッドカーサービスの開発

このようなサービスに向けたコラボレーションは、OEMやサービス開発者がSDVの好機を公に探求できるプラットフォームと合わせて、ますます重要性を増していくでしょう。 これにより、従来の自動車研究開発アプローチから脱却することが可能になります。同時に、ソフトウェア定義型車両の実現に向けた斬新な新プロセスの必要性も明確化されています。

このような新プロセスは、リーダーシップ、イノベーティブ精神、コネクテッドカーサービスの開発にまつわる豊かな経験によって可能になります。 これらすべてを掌握した私たち企業は、世界各国のOEMも同様であることを認識しています。

IT Programers Discussing Blockchain Data Network Architecture Design

SDVサービスイノベーションにおいて、ワイヤレスカーと提携する理由

オーブンSDVプラットフォームの製品管理責任者の立場から、OEMに最大のバリューをもたらすアプローチに着目しています。このためには、適切なパートナーシップを見出し、協同でオープンソースコードに取り組むベストアプローチを特定することが焦点となります。

では、なぜ自動車メーカーがSDVサービスのイノベーションに向けてワイヤレスカーと提携すべきなのでしょうか?

1. ワイヤレスカーはサービス開発者であると同時に、サービスインテグレーターでもあります
非常に幅広い開発チームと提携していることから、自社ソリューションの適応が要されるケースもあります。 コネクテッド自動車サービスの開発者かつインテグレーターであることから、当社ソリューションは、それぞれのカスタマーニーズに合わせてスムーズに適応することが可能です。 特定のプロジェクトやソリューションに対して、さまざまなオプションを提示することができます。このようなアビリティは、オープンソース型コラボレーションに不可欠な要素です。

2. 好奇心と実用志向に基づいた探求的なアプローチ
オープンソース型のイノベーションには、アイデアや実践アプローチにまつわるやり取りが必要とされます。 私たちの企業における探求型アプローチは、オープンマインドに基づいた効率性を重視し、イノベーティブなプロセスのリーダーとしての要件を満たしています。ワイヤレスカーのオープンSDVプラットフォームでは、OEMとの緊密な協力体制に基づいてプロジェクトを創出し、協同で業界問題に取り組みつつソースコードを作成していきます。

3. 未来への道を開く経験
私たちは、コネクテッドカーサービスとプラットフォームにおける25年間にわたる経験をもとに、目下進行中のパラダイムシフトにスムーズに対応することが可能です。 たとえあらゆるソリューションを手にしていないとしても、ビジネスパートナー各位と一体となってソリューションを見出せるものと確信しています。 私たちとともに、ソフトウェア定義型自動車の未来を構築していきませんか。

時々刻々と進化するこのトピックについては、ワイヤレスカー「インサイト」ブログで定期的に最新情報をご確認ください。 オープンSDVプラットフォームや、オープンソースソフトウェアベースの企業活動にまつわるご質問等は、下記のメールアドレスまでお気軽にご連絡ください。 SDVについての詳細はこちらMaaS(モビリティ アズ ア サービス)イノベーティブな提携にまつわる記事はワイヤレスカー「インサイト」ブログでご覧いただけます。

Christina Rux
製品管理責任者(オープンSDVプラットフォーム)