コネクテッドビジネス 自動車会社がコネクテッドカー向けデジタルサービスの開発と提供に成功するには? 2021年10月25日 いつの時代も変わらぬことは、つねに変化するということ。未来のモビリティ、自動車のデジタル化、コネクテッドカーデータ事業の可能性などは、変化が非常に速く、しかも加速しています。自動車会社/OEMは何十年も自動車を製造しているエキスパートです。しかし、車体やその他のハードウェアを製造する技術をマスターしているからといって、コネクテッドカー向けデジタルサービスの開発と提供に成功するとは限りません。コネクテッドカーに関わる技術革新は、未来のモビリティへ続く道筋の、カルチャーとリーダーシップにおける転換点なのです。この記事は全3回シリーズの第1回目で、自動車会社がこの転換を行う方法やデジタル化がもたらす変化とメリットを手にする方法を探ります。 ソフトウェアとデジタルサービスによる価値創出 ソフトウェアを通じて真に価値を創造するためには、自動車会社はそのソフトウェアの本質を理解し、受け入れる必要があります。どのような可能性があり、それを引き出すには何が必要でしょうか? エンドユーザー中心 エンドユーザーとは誰であり、どのようなサービスを必要としているのでしょうか?そうしたサービスをどのように提供できますか? 変化のスピード ソフトウェアはその性質上、絶えず、頻繁に変化します。そのため、提供するサービスは常に最新状態に保たれ、改善され続けることができます。 全体を見る目 自動車会社はサービスチェーンで非常に重要な役割を果たしますが、唯一無二の存在ではありません。 新しい事業価値 事業価値やサービスの中には、進化して新しいものに生まれ変わるものがあります。しかし、まったく新しい想定外の事業価値やサービスが発生することもあります。たとえば、自動車を所有していなくても定期的に使いたい、などのニーズです。 自動車向けデジタルサービスにはフィードバックが不可欠 - その理由とは 自動車向けデジタルサービスの世界で成功するため、そして生き残るためにも、継続的な改善が必要です。提供するサービスは最新のものでなければならず、顧客のニーズに応じて常に改良し続けなければなりません。アプリ、ポータル、サブスクリプションサービスを利用すれば、瞬時にフィードバックを提供してくれるため、必要に応じてすばやく改善することができます。デジタルサービスを改善するだけではなく、利用者に対して、自動車に関する体験全体への配慮が優れているとアピールすることができます。. 実のところ、利用者は自動車会社に求められなくても、デジタルサービスの利用経験をシェアして話し合います。このため、自動車会社は利用者のフィードバックに関心を持ち、素早く対応すべきです。このフィードバックが開発チームに直接届くと、デジタルサービスプロバイダーとして競争力が高まります。 また、チーム内、そしてチーム間のフィードバックもデジタルサービスの改善に役立つことを忘れないでください。リーダーシップや組織内の働き方に関するこうしたフィードバックは、利用者から得られるフィードバックと同様に重要です。継続的にベストプラクティスを生み出し、進化させていくことは、継続的な改善において不可欠な要素です。 成功に不可欠なのは、チームに投資し、チームを信頼すること WirelessCarでは、チームのダイナミクスがソフトウェア開発、さらには自動車向けデジタルサービスの成功にとっても重要であると理解しています。メンバーが途中で入れ替わることがあっても、優れたチームは総合力を維持し続け、メンバーのスキルを最大限に引き出します。たとえば、サービス、ソリューション、バリューストリームなどの形で、高い価値をもたらすことができます。 早く失敗し、早く修正することで、自動車向けデジタルサービスは向上する 自動車業界では失敗や故障という概念はタブーです。ハードウェアに関してはもちろんそうでしょう。エンジン、ブレーキ、エアバッグ、どれをとっても失敗は許さるものではありません。 しかしソフトウェアソリューションの構築に関しては、失敗は学習と改善の貴重な手段になりうるのです。それは個人の安全に関するサービスではなく、インフォテインメントサービスのこと。そのアプリやサービスが失敗するかもしれないとか、改善の余地があるという理由で、それを廃棄すべきではありません。代わりに、早く失敗して、早く修正する。なぜうまくいかないのか、どうすればもっと上手くいくかを学ぶのです。利用者から否定的な反応があった場合は、それを改善したことと、改善した方法と理由を伝えましょう。 ソフトウェアのエリート組織になるには、頻繁に、多くのサービスを提供し展開する必要があります。そうすることで利用者に対してだけでなく、自社に対しても価値を生み出します。このプロセスでは、失敗はつまずきというよりも、未来への道しるべとなることが多いのです。もちろん、常に学び続け、改善を続ける限りにおいては。. すべてを知らないのは悪いことではなく、当たり前のこと 今から1年後、いや、3年か5年後には、私たちの誰もが現時点では思いもしないサービスが現れているでしょう。もちろん知識や経験に基づいて将来を予測しようとすることはできますが、モビリティやコネクテッドカーのデータ、自動車ソフトウェアの世界は動きが非常に速く、未来を正確に予測できなくても仕方のないことです。絶対の精度で定義することはできませんが、それに備えることはもちろん可能です。その最善の方法は、試して、試して、さらにもっと試すことです。つまり継続的改善です。サービスが最先端のものになり、最先端であり続けられるようになるまで、試行錯誤とテストを繰り返すのです。 変化のスピードは、「何」をするかだけでなく、それを「どう」行うかにも影響を与えます。リーダーシップや働き方は変わっていくことは間違いありません。しかし、そうした変化に対して好奇心とオープンマインドで取り組めば、変化から恩恵を受けて成長することができるでしょう。 WirelessCarには、20年以上にわたってコネクテッドカー向けデジタルサービスを構築してきた経験があります。私たちが常に目指してきたのは、自動車業界をデジタル社会へと導くことです。これは必ずしも自動車の設計や組立の方法を物理的に変えるという意味ではありません。必要なのは、むしろ、世界中の自動車会社に真の価値をもたらすソリューションを見つけるための好奇心と熱意です。私たちは有言実行の集団であり、お客様との密接な協力関係のもと、常に前進し続けていきます。 世界のトップ自動車ブランド向けに自動車デジタルサービスの構築を当社がどのようにサポートしてきたか知りたいと思いませんか? また、当社が自動車会社に対して新しいデジタルバリューストリームをいかに生み出せるかについて、もっと知りたいと思いませんか? ご興味がある方は、Mikael Honner にご連絡ください。また、このシリーズの他のブログ記事もお読みください。コネクテッドカー・ソフトウェアに関する最大の課題と機会や、コネクテッドカーとお客様のためにより良いデジタルサービスを構築する方法が紹介されています。 Mikael Honnér ご連絡はこちらへ