コネクテッドビジネス テクノロジー 自律型MaaS(Mobility as a Service)と、その成功を左右するコネクテッドカーサービス 2023年5月3日 自動車OEMやモビリティサービスプロバイダーは、自律走行車の開発にこれまで以上に多くのリソースを投入しています。日常的な移動から都市計画、物流に至るまで、自律型MaaS(Mobility as a Service)や自律型TaaS(Transport as a Service)が持つ可能性は、いくら強調してもしすぎることはありません。しかしながら、この可能性を実現するためには、自動車やコネクテッドカーサービスが、複雑なデータや多面的な状況をこれまでとは異なるまったく新しい方法で管理できるようにならなければなりません。それは、OEMにとって何を意味するのでしょうか。特に自律型MaaSを成功させるために、OEMはどのようなコネクテッドカーサービスを提供する必要があるのでしょうか。 自律型MaaS(Mobility as a Service)や自律型TaaS(Transport as a Service)の最大の課題は何でしょうか? コネクテッドカーが人を運ぶ(Mobility as a Service)にせよ、モノを運ぶ(Transport as a Service)にせよ、人間のドライバーが不要になるため、必然的にコントロール、安全、セキュリティの問題が生じます。とはいえ、これらのコネクテッドカーが真に自律的になるためには自ら行動し「考える」こと、そして自動運転システムを搭載する必要があります。コネクテッドカーのデータセットがますます複雑になるにつれて、より高度な方法で処理する必要があります。 OEMはこれらの課題に対処するだけでなく、より優れたコネクテッドカーサービスや、より高機能な自律型MaaSやTaaSを促進するために進化できる、技術および管理インフラを必要としています。このインフラの中心的な役割を果たすのが、OEMのコネクテッドフリートを監視し、サービスを提供するモビリティオペレーションセンターです。このセンターは、さまざまなコネクテッドカーサービスを提供し、それらを維持することができなくてはなりません。 自律型MaaSに必要なコネクテッドカーサービスとは? 車両の自動運転システムとコネクテッドカーサービスを組み合わせることで、より高度なユーザーサービス(リモートおよび車内の両方)を開発し、提供するための基盤が生まれます。では、それらの高度なユーザーサービスとはどのようなものでしょうか。以下は、自律型MaaSの活用を成功させるために、すべての事業者が必要とする標準的なサービスの一部です。 車両稼働率のモニタリングと車両利用の最適化 OEMは車両をモニタリングすることで、車両をより効率的に活用できます。コネクテッドカーはどのような移動に使用されているか?どこで車を運転し、どこに駐車すればよいのか?いつ、どこで、どの程度充電すればよいのか?考慮すべきパラメータはたくさんあります。しかし、重要なのは、OEMが予測や情報に基づいた決定を行い、顧客のニーズに応えるためには、既存のコネクテッドカーのデータが大量に必要になるということです。 コールセンターサービス/安全性&セキュリティ 自動運転車にはドライバーがいないため、緊急時や故障時のサポートはもちろん、旅行情報やおすすめ情報を提供するコールセンターサービスが欠かせません。コールセンターの担当者には、車載カメラや車内カメラからの映像、進行方向、乗客数など車両からの最新データが提供されます。このデータを使うことで、たとえば、道路サービスや地域の交通状況など、最新の交通情報を提供することができます。 セキュリティモニタリング/VSOC セキュリティモニタリングまたはVSOC(Vehicle Security Operations Center)を使用することで、フリート管理者は、車両とその周辺のデジタルエコシステムをサイバーセキュリティ の観点から監視することができます。これにより、フリートやそれを構成する車両への不正アクセスを防止できます。 車両の遠隔操作 自律型のコネクテッドカーが99.8%の出来事を処理できるとしても、まれに遠隔からの支援が必要になる場合があります。コールセンター担当者(または同様の担当者)が車両に連絡し、画像や動画で状況を確認し、車に何かを命令したり、特定の場所に走行させたりする必要がある場合があるかもしれません。車両の遠隔操作を他のシステムと統合することで、コールセンターの担当者に送信する前にそれらのデータが統合され、エージェントは状況の全貌を把握することができます。 メンテナンスと車両状況のモニタリング エラーコードや車両状態のデータを継続的に収集し、分析する必要があります。車両の状態を手動で監視するドライバーがいない自律型の車両の場合、特に重要です。これにより、ンテナンスをより効率的に予測、管理できます。これは前述の車両稼働率のモニタリングと密接に関連しています。 これらの要素は、主に個人用車両や自律型MaaSに関係しますが、そのすべてが自律型TaaS(自律型トラック輸送を含む)プロバイダーにも関係します。 自律型MaaS(Mobility as a Service)と自律型TaaS(Transport as a Service)の出現が加速している この記事の執筆時点では、自律型MaaS(Mobility as a Service)は拡大期にあり、すでに中国と米国のいくつかの都市で運用されています。その中心となっているのが、地盤を固めつつある一握りの配車サービス会社で、新しい都市に継続的に事業を拡大しています。成長を続ける都市では、何百万人もの住民にとって快適で便利な交通手段が必要です。技術的なコストが下がれば、消費者の負担も減少します。自律型タクシーの場合、1マイルあたりのコストが2030年には0.25米ドル程度になる可能性があるという試算があります。 特に都市部での移動手段は、運転することよりも運転されることがますます重要になるでしょう。そのためには、完全に自律型のMaaSが必要なだけでなく、アクセスしやすく、信頼性が高く、手頃な価格で利用できるものが必要です。これは、自動車業界全体が取り組むべき課題です。 自律型TaaS(Transport as a Service)については自律型トラック輸送の台頭もまだ初期段階にあると言えます。総所有コスト(TCO)が重要視される物流業界では、自律型トラック輸送は大きな可能性を秘めています。自律型TaaSのおかげで、ドライバー、メンテナンス、燃料にかかるコストはすべて予測しやすく効率的に管理され、大幅な削減が可能になると期待されています。多くの市場ではトラックドライバーの不足が続いており、さらに悪化していますが、自動運転はその解決にも貢献することでしょう。また自律型トラックは、より過酷でコストのかかる長距離トラック輸送に使用できるので、人間のドライバーはローカルの短距離トラック輸送で活躍できます。 WirelessCarはコネクテッドフリート向けの自律型MaaSをどのように促進するか WirelessCarは約25年にわたり、コネクテッドカー向けのデジタルサービスの開発、提供、運営を行っています。これらのサービスはフリートの運用を最適化し、OEMがより高度なコネクティビティ、電動化、自律走行などに向かうのを支援します。 当社はすでにさまざまなコネクテッドカー向けサービス や ソリューションを提供しているため、OEMはこれらのサービスポートフォリオを独自に考案したり、再発明したりする必要はありません。その代わり、OEMは自社が提供するブランドやビジネスの独自性を引き出すためのサービスに注力することができます。 自律型MaaSについては、OEMにこの分野ですばやくスタートできるようにすることが私たちの目標です。自律型MaaSとTaaSの分野においては、私たちはいまも学びの過程にり、自動車業界においてこの技術を成功裏に活用できるように日夜取り組んでいます。 この分野における当社の仕事についてもっと知りたいですか?以下のメールアドレスからお問い合わせください。また、既存のコネクテッドカークラウドを利用してサービスポートフォリオを強化する方法や、将来のコネクテッドカーサービスを創造する方法について関連記事をお読みになることをお勧めします。 Tomas Carlfalk ご連絡はこちらへ Christina Rux ご連絡はこちらへ